代表体験記

はじめまして。横浜の障害年金の社会保険労務士の広野シゲ子です。

障害年金を必要としている方に広く届くよう、できるだけ多くの方に知ってもらうための情報発信として、ホームページの運営を行っております。

障害年金について、ご家族さまや支援者の方からご相談を頂き、申請のアドバイスをさせて頂きながらも、私自身、精神的な疾患がある父の家族であり、様々なご支援が必要だと思います。実際に体験していることについて、少しお話させて頂きます。

私は、現在父の介護を行っています。十数年も前に遡りますが、最初の異変は、父が配偶者の母を亡くした後、「ご近所の奥さんが赤いスカートを履いて、うちの庭先へ来るんだ」と言いました。確かに母の生前はよくご近所の方が来ていましたが、赤いスカートには違和感があり、何度となく同じ話を父から聞きました。そのうち、父は一戸建ての住宅では、夏は除草など管理が行き届かないので、手狭な生活の方が楽でいいということで、アパートで一人暮らしを始めました。

すぐに、「隣の住人の方から嫌がらせを受けているから大変だ」と言い、私がその理由について尋ねると、「外出して帰ってくると、冷蔵庫の味噌の中に毒を入れられて、おなかを痛めた」「近くの公園で体調が悪くなりベンチに座り込んだら、天地が逆さまに見えた」「家のドアに電波が走っている」などと言いました。愛嬌があって社交的であった父の口から聞いたことのない事実について、「父は何か体調が悪かっただけなのではないか」と、当時の私は、思うようにしていたと思います。

病院への受診を考えましたが、父は生来の病院嫌いでなかなか連れていくことが出来ません。父の生活全般を見守るために、私の側に引越しをしてもらいましたが、すぐに「近所の人に監視されている。」と言いました。

再度、受診を勧めるも、父は病気である認識がないため、「絶対行かない。どこも悪くないから」「本当に監視されているし、盗聴器がついている」「理由は分からないけど誰かが聞いている」と、怒ります。その頃から外出時に冷蔵庫のものを全部リュックに入れて歩くようになりました。「今のアパートを引き払いたい。行くところがあるから大丈夫」と言います。私は、父が何か聞いてほしいと言うことは伝わっていましたので、父の主張をなるべくしっかり聞くことを心がけていました。

ある日、父の部屋を訪ねると、あるはずの家具が一切なく、もぬけの殻です。とりあえず雨戸を開け外を見ると、一本だけ物干し竿が残っていました。父は部屋を引き払い、行方不明になりました。未明に警察から連絡があり、迎えに行くと、病院で車いすに座っている父がいます。足を痛めていて病院まで運ばれたと聞かされました。よく見ると衣服も変わっておらず、ずっと歩いていた様子で疲れているようで、何とかうちへ連れて帰りました。

その後も、警察へ行方不明の捜索願の手配を何回したことか分かりません。親戚のところに行っているときもありました。

何とか精神科に通院することを父から了承を取り付け、先生に診てもらうことができました。父はクリニックで、味噌に毒を盛られたこと、天地が逆さまに見えたこと、今まで自分の身に起きたことを主治医に説明しました。

何回か通院すると認知症の可能性を示唆され、脳外科でCTを取ると「慢性硬膜下血腫」ということが分かりました。頭蓋骨の内側で脳を包む膜(硬膜)と、脳の表面との間にゆっくりと血液が溜まっている状態だそうです。通常、外科手術で血液を出すようですが、高齢のため主治医は外科的手術ではなく、服薬で血液を体内から尿により排出する方法を採りました。

数か月後に血種はなくなり、父は「病気が治って、もうどこも悪くない」と、再び通院を拒むようになりました。毎回引きずるような思いで、通院しましたが、受診を中止しました。

その後、訪問診察を開始し、最近は毎日服薬をさせてあげる必要があり、一人で外出が困難になって、常時介護を必要としています。今はリハビリ、ケアマネ、主治医の先生方々、スタッフの皆さまから、医療・介護サービス受けることにより、父の生活は支えられています。

父自身の中で起きている出来事は、本人にとって事実であること、病気や薬の情報について勉強することができました。

医療・介護を受けるためには金銭的にどうしても負担があります。働くことができない場合、障害年金を受給して、療養に専念する必要があります。また、療養しながら働かざるを得ない事情であれば、障害年金を受給し障害者雇用で働く選択肢もあります。

障害年金を受給することは、金銭的な安定を得られQOLの向上の一助に繋がることも、私は何度となく経験させていただきました。

このような経験をもとに、同じ目線で丁寧にヒアリングをさせて頂くことは、非常に大切なことだと思っております。一度、ご相談ください。

ひろコンサルティングオフィス
代表 特定社会保険労務士 
広野シゲ子

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