障害年金の対象となる傷病

傷病により働くことができず日常生活に支障を生じている場合の
障害年金の受給可能性について

高齢になったら年金をもらうというのが一般的なイメージで老齢年金は原則65歳から受給できますが、障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などの日常生活が制限されるような状態になった時、現役世代の方でも受給することができる年金です。年金制度ですので、障害年金を受給するためには、「受給のための3要件」の以下①~③を満たすことが必要です。

障害年金対象となる傷病

障害年金対象となる傷病は、障害年金受給3要件の「障害程度要件」にあたり、認定基準に達するほどの障害状態であることは請求する上では大切です。

①病気やケガで、②その傷病が1年6カ月継続して治療していても治らず、重い症状が続いているため、③日常生活に支障があり、就労に影響を及ぼす(=働けない)程度の障害の状態であれば、障害年金の対象の傷病に該当する可能性があります。障害年金の受給できるか、主治医にまず相談してみましょう。もちろん、障害年金の社会保険労務士にも相談できます。

障害年金の対象となる主な傷病は、次のとおりです。手足の障害などの外部障害のほか、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害もほとんどの疾患が対象になります。請求のポイントを見る場合は、病名をClickするとリンクします。

  • 1.外部障害
    眼…緑内障、白内障、ブドウ膜炎、視野狭窄眼球委縮、網膜はく離、黄斑変性症、網膜色素変性症、眼球破裂、など
    聴覚…メニエール病、感音性難聴、突発性難聴など

    肢体の障害など…上肢または下肢の離断または切断障害、脳梗塞・脳出血後遺症、脳血管疾患、脳腫瘍、脳挫傷、頭部外傷後遺症、脊髄小脳変性症、筋ジストロフィー、ヘルニア、慢性関節リウマチ、人工関節、ポリオ、膠原病、全身性エリテマトーデス(SLE)、線維筋痛症、骨頭壊死症など
  • 2.精神障害
    うつ病、双極性障害、統合失調症、気分障害、発達障害(広汎性発達障害、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム)、知的障害、てんかん、高次脳機能障害、若年性アルツハイマーなど

障害年金では「神経症」や「人格障害」は、認定の対象外とされています。しかし、神経症で認定された事例もあります。
神経症

  • 3.内部障害
    呼吸器疾患…肺がん、肺結核、じん肺、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫など
    循環器疾患の障害…心臓疾患(ペースメーカーICD、人工弁)、拡張型心筋症、心臓弁膜症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁精査不全症、梗塞型心筋症、狭心症、心筋梗塞、悪性高血圧、高血圧性心疾患、高血圧性腎疾患など
    腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害…人工透析、慢性腎不全、慢性腎炎、慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎のう胞、肝のう胞、肝硬変、肝腫瘍、肝臓がん、肝細胞、糖尿病など
    血液・造血器疾患・その他の障害…悪性リンパ腫、人工肛門、骨髄腫、脳腫瘍、HIV(エイズ)、ヒト免疫不全ウイルス感染症、白血病、血友病、化学物質過敏症、クローン病、バセドウ病、膠原病、慢性疲労症候群など

    鼻腔機能・咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)機能・言語機能の障害など

障害年金が支給される障害状態の程度は、以下の等級があります

障害の程度 障害の状態
1級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものとする。この日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。
例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものである。
2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。
例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。
3級 労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。
また、「傷病が治らないもの」にあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。(「傷病が治らないもの」については、 障害手当金に該当する程度の障害の状態がある場合であっても3級に該当する。)
障害手当金 「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。

障害認定基準(日本年金機構)3頁より引用

障害年金が支給される「障害の程度」については、「国民年金法施行令」および「厚生年金保険法施行令」によって、以下のように障害等級が定められています。
初診日において、国民年金被保険者(第1号・第3号)であれば、障害基礎年金の対象となり、1級・2級があります。厚生年金に加入している場合は、障害厚生年金も受給することができ、等級は1級・2級・3級・障害手当金があります。
【障害年金の受給金額】を見る

障害の程度 障害の状態
1級
  1. 両眼の視力の和が0.04以下のもの
  2. 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
  3. 両上肢の機能に著しい障害を有するもの
  4. 両上肢のすべての指を欠くもの
  5. 両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
  6. 両下肢の機能に著しい障害を有するもの
  7. 両下肢を足関節以上で欠くもの
  8. 体幹の機能に座っていることができない程度又は立ちあがることができない程度の障害を有するもの
  9. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
  10. 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
  11. 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
2級
  1. 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
  2. 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
  3. 平衡機能に著しい障害を有するもの
  4. そしゃくの機能を欠くもの
  5. 音声又は言語機能に著しい障害を有するもの
  6. 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの
  7. 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの
  8. 一上肢の機能に著しい障害を有するもの
  9. 一上肢のすべての指を欠くもの
  10. 一上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
  11. 両下肢のすべての指を欠くもの
  12. 一下肢の機能に著しい障害を有するもの
  13. 一下肢を足関節以上で欠くもの
  14. 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
  15. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
  16. 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
  17. 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
3級
  1. 両眼の視力が01.いかに減じたもの
  2. 両耳の聴力が、40センチメートル以上でjは通常の話声を解することができない程度に減じたもの
  3. そしゃく又は言語の機能に相当程度の障害を残すもの
  4. 脊柱の機能に著しい障害を残すもの
  5. 一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
  6. 一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
  7. 長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
  8. 一上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ一上肢の3指以上を失ったもの
  9. おや指及びひとさし指を併せ一上肢の4指の用を廃したもの
  10. 一下肢をリスフラン関節以上で失ったもの
  11. 両下肢の10趾の用を廃したもの
  12. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
  13. 精神又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
  14. 傷病が治らないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものであって、厚生労働大臣が定めるもの
障害手当金
  1. 両眼の視力が0.6以下に減じたもの
  2. 1眼の視力が0.1以下に減じたもの
  3. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  4. 両眼による視野が2分の1以上欠損したもの又は両眼の視野が10度以内のもの
  5. 両眼の調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの
  6. 1耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの
  7. そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの
  8. 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
  9. 脊柱の機能に障害を残すもの
  10. 一上肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの
  11. 一下肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの
  12. 一下肢を3センチメートル以上短縮したもの
  13. 長管状骨に著しい転位変形を残すもの
  14. 一上肢の2指以上を失ったもの
  15. 一上肢のひとさし指を失ったもの
  16. 一上肢の3指以上の用を廃したもの
  17. ひとさし指を併せ一上肢の2指を廃したもの
  18. 一上肢のおや指の用を廃したもの
  19. 一上肢の第1趾又は他の4趾以上を失ったもの
  20. 一下肢の5趾の用を廃したもの
  21. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
  22. 精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
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